婿入り(むこいり)と婿養子(むこようし)の違いはなんでしょうか?
一般的にはこの2つの言葉の違いを意識して会話の中で使っている人は少ないような気がします。
でも長年、会計事務所に勤めていた私にとってはこの2つは全然違うものとして認識しています。
特に相続においては相続人になるか、ならないかの大きな違いがあります。
ここでは現行の民法においての話です。明治時代の民法においては婿養子制度が明文化されており、現在の法律とは異なるものでした。
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婿養子と婿入りの驚きの違い!あなたの家族の未来を左右する決断とは?
婿養子と婿入りは、一見似たような制度に思えますが、実は大きな違いがあります。
婿養子とは、娘との婚姻のほか、娘の両親と夫が養子縁組することです。
つまり義理の両親の相続権も扶養義務も負うことになります。
一方、婿入りは、娘の夫が妻の実家に住み込むものの、戸籍上は妻の姓を名乗り、跡継ぎにはならない形態を指します。
つまり、婿養子は家の存続に直結する選択であり、婿入りは家族の絆を深める選択肢といえます。
婿養子を選ぶ家庭は、家の存続と繁栄を第一に考えています。
跡継ぎがいない場合や、跡継ぎの能力に不安がある場合に、有能な婿を迎えることで、家業を発展させ、家名を守ることができます。
また、婿養子は、実子と同等の権利と義務を持つため、家族の一体感が強まり、安定した家庭を築くことができるでしょう。
一方、婿入りを選ぶ家庭は、家族の幸せを優先しています。
娘夫婦が自分たちの人生を歩むことを尊重しつつ、同じ屋根の下で暮らすことで、家族の絆を深めることができます。
婿入りは、実家の両親と若い夫婦が助け合いながら、子育てや家事を分担できるため、共働きの夫婦にとっては心強い選択肢となるでしょう。
ただし、どちらの選択をするにせよ、事前に十分な話し合いが必要です。
また、時代とともに価値観が変化していることも忘れてはいけません。
かつては当然とされていた婿養子も、今では必ずしも必要とされなくなってきています。
家族のあり方も多様化し、婿養子や婿入りに限らず、それぞれの家庭に合った形を模索することが大切になってきているのです。
ちなみの日本において結婚の際、女性の苗字を名乗る男性は約5%ほどになります。
あと特殊な場合ですが、私の友人は借金で自己破産したあとに結婚するときに奥さんの姓を名乗っていました。
昔(具体的には西暦2000年より前くらい?)は確かに苗字が変わると以前の信用情報が追っていけない可能性もあったようですが、現代においては苗字を変えても無駄なようですww。
あとは「金融機関の名前変更手続き」や「車の免許の名前変更手続き」などどけっこう面倒なことも多いです。
私の妻も結婚後に私の姓に変更しました。名前変更手続きのために仕事を休む必要があってぶつぶつ言ってました。
少し話はそれますが、そもそも結婚時に夫婦同姓制度を導入している日本が珍しく、他の国々では同姓、複合姓、別姓が認められているところも多いです。
同じアジア圏の国でも中国は男女平等の観点から「自己の姓名を使用する権利」が認められています。なので夫婦間の姓もそうですが、兄弟間でも父親姓と母親姓の両方があり得ます。
韓国も夫婦別姓です。儒教の影響からか男女問わず婚姻後も、それぞれの父系名を名乗る父系制です。ただ法律改正で最近は母方の姓も名乗れるようになりました。
そういえば韓流ドラマでも夫婦間もフルネームで違う姓で呼んでたりしてますもんね。
日本も夫婦別姓制度が可能なれば、そもそも「婿入り」という言葉は死語になるかもしれません。
婿養子か婿入りか?それぞれのメリットとデメリットを徹底比較!
婿養子と婿入り、どちらを選ぶべきか。
この問いは、多くの家庭で議論されてきました。
それぞれの形態には、一長一短があります。
まず、婿養子のメリットは、家の跡継ぎを確保できることです。
婿養子になった男性は、妻の実家の姓を名乗り、養親の扶養義務、そして相続権をえます。
これにより、家の存続が保証されるのです。
また、婿養子は、妻の両親と同居することが多いため、家族の絆が深まる傾向にあります。
一方、婿養子のデメリットは、男性が自分の家を離れなければならないことです。
(まあ、現行法においては婿養子だろうと自分の家にいてももちろん法律違反などではありません、)
生まれ育った家を離れ、新しい環境に適応するのは容易ではありません。
また、妻の実家の家風に合わせなければならないため、ストレスを感じることもあるでしょう。
次に、婿入りのメリットは、男性が自分の家を維持できることです。
婿入りした男性は、自分の家業を継ぐことも可能です。これは、男性にとって大きなメリットと言えるでしょう。
しかし、婿入りのデメリットは、妻の実家との関係が希薄になりがちなことです。
婿入りした男性は、妻の実家とは別居することが多いため、家族の絆が薄れる可能性があります。
また、妻の両親の老後の面倒を見ることが難しくなるかもしれません。
婿養子と婿入り、どちらを選ぶべきかは、家庭によって異なります。
家の存続を重視するなら、婿養子を選ぶのが賢明でしょう。
一方、男性の自立を尊重するなら、婿入りを選ぶのが良いかもしれません。
大切なのは、夫婦で十分に話し合い、互いの意見を尊重することです。
どちらを選ぶにせよ、夫婦の絆を大切にし、家族みんなが幸せになれる道を選ぶことが肝要です。
時代とともに変化する価値観の中で、伝統と革新のバランスを取ることが求められています。
婿養子か婿入りか、それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、自分たちに合った形態を選択してください。
どちらを選んでも、家族の絆を大切にし、互いを思いやる心を忘れずにいれば、きっと幸せな家庭を築くことができるはずです。
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