婿養子は本当につらいのか?

婿養子

婿養子という言葉に、一瞬身構えてしまう男性は多いのではないでしょうか。

ただ現在の日本おいては法的に婿養子制度はありません。

が、妻側の姓を名乗り、妻側の親、つまり義理の親と養子縁組を組んでいる場合には便宜上「婿養子」と呼ばれることもあります。

実際、自分の生まれ育った家を離れ、妻の実家に入るという選択は、勇気のいる決断です。

また、その陰には婿養子ならではの苦悩と葛藤が潜んでいます。

婿養子になるということは、自分のアイデンティティを一旦脇に置き、新しい家族の一員として受け入れられることを意味します。

血のつながりのない家族と一緒に暮らすことで、自分の居場所を見失ってしまう不安に駆られるかもしれません。

また、妻の両親との関係性の構築に悩むこともあるでしょう。

さらに、実家との関係性の変化にも直面します。

婿養子になることで、実家との物理的・精神的な距離ができてしまうのです。

大切な家族との絆を維持しながら、新しい家族との絆も深めていくことは、簡単ではありません。

しかし、婿養子という選択は、新しい家族への愛情と尊重の表れでもあります。

妻の家族を自分の家族として迎え入れ、共に人生を歩んでいく覚悟は、男性としての強さと優しさを示しています。

時には苦悩や葛藤に直面するかもしれませんが、それを乗り越えていく過程で、自分自身も成長していけるはずです。

そんな彼らを見ていると幸せそうな人とそうでない人がはっきりと分かれています。

私の周りにいる婿養子の人たちのいろんなケースを挙げて考えてみたいと思います。

婿養子になってつらそうな人

私の周りの婿養子 ケース1

次男で土地持ちの長女と結婚したH氏(当時30歳くらい)

はじめは結婚してすぐに男の子も生まれて幸せそうだったH氏。

しばらくして養子先の父親と折り合いが悪くなってきた。

妻も自分より父親のほうを擁護することが多くなって、家にいるのが辛くなったらしい。

暫くして離婚、養子縁組も解消した。

詳しくは聞いてないが、奥さんに不貞があったみたいで離婚の際はかなりの慰謝料をもらった。

マンションを購入して今は一人暮らし。「気楽なった」と本人は言ってるけど、子供とも会えないみたいで時々寂しそう。

私の周りの婿養子 ケース2

子供がいない夫婦に両養子ではいったU氏

子供がいない夫婦ではじめは妻が養子にはいった(小学生の時らしい)

その後、U氏と結婚、U氏も養子縁組して婿養子に入った。

義親が始めた建築会社を継いで、事業も拡大していった。

義母が先に亡くなり、義父は急に疑り深くなり財産を勝手に贈与したり寄付したりした。

結局、U氏と義父の間で裁判沙汰になり、泥沼状態に。現在も継続中。

婿養子になって幸せそうな人

私の周りの婿養子 ケース1

本人は長男だったが、恋愛した相手が長女で妻側の婿養子に入ったF氏。

F氏は妻と飲食店をやっており義父母とは別に住んでいる。

それでもよく義父母の家に様子を見に行くF氏。

私も数回ほどお邪魔したが、F氏の両親への口の利き方や態度ではじめは実の両親だと思っていた。

・・が後で義父母だと知った。それくらい打ち解けた様子。

外から分からない小さいいざこざはあるかもしれないが、全然楽そう。

私の周りの婿養子 ケース2

次男でやはり恋愛した相手が一人娘で婿養子入ったK氏。

お嫁さんの実家はそれなりの資産家だったよう。

私と知り合ったときは義父はすでに他界していたが、実の娘である奥さんより義母の様子を見に行っていろいろと世話をやいていたK氏。(K氏夫婦は自分たちで住宅を買って別に住んでいる)

やはり他人とは思えないような会話を普通にしている。

義理の母親もK氏を可愛がってようで、私が義母の家にお邪魔した時も本当によくしてくれた。

さきごろ義母も他界。

K氏も本当に悲しそうだった。

婿養子は本当につらいのか?

ほかにも自分の周りには婿養子になった人がいるが、うまくいってる婿養子にはいくつか共通するものがある感じがする。

一つ目は義父母と別居、もしくは同じ敷地でも別宅に住んでいるということ。

どうしても一人になりたいときはあるし、どこか逃げ込める場所があるのは大きいと思う。

逆に一つ屋根の下に住むとなると育ってきた環境が違うので、初めはちょっと気になる程度だった些細な事がだんだんと大きくなって、そのうち耐え難くなることも多いようだ。

当然、婿養子の方が立場が悪いので家に居づらくなる。(家にいないと、それはそれで責められるかも)

二つ目は、婿養子の人の性格。(もちろん義父母の性格も)

うまくいってる家庭の婿養子はいい意味で遠慮しないで義父母と付き合えるようなサバサバした性格の人がいいように他人からは見える。

もちろん実の親とまではいかないかもしれないが、外からみてると本当にもとは他人なの?と疑うくらい遠慮なく言い合っている。

義父母の方も遠慮なく文句を言ってるし、やはり適度に言いたいことは言っておかないとダメみたい。

私なんか早くに両親から離れて生きてきたので、余計にそう感じる。

三つ目は妻が両親より夫の方を重要視してくれること

パートナーである妻が自分よりも両親の方を優先することもよく聞く。

当然、もともと立場が弱い婿養子はますます孤独になっていく。

夫の家に入る女性でも同じだが、パートナーが自分も味方(それも双方が軽視されていると思わないようにさりげなく)なってくれると、本当に心強いはず。

夫婦の絆も通常の夫婦よりも強くなります。

婿養子という運命:家族のために自分を犠牲にする覚悟

仕事、プライベートでいろんな婿養子を見てきましたが、やっぱり実際に家に入ってみないとわからないことが多い気がします。

「こんなはずじゃなかった!」と後悔する婿養子の人もたくさんいます。

婿養子という運命に翻弄される男性の姿を通して、家族とは何か、自分らしく生きるとはどういうことなのかを考えさせられます。

伝統と個人の幸せ、家族への愛情と自分の人生。

それらのバランスを取ることの難しさと、その中で生きる人々の強さと優しさに気づかされるのです。

婿養子という運命に向き合う男性の姿は、現代社会に生きる私たちに、改めて家族の絆と自分らしさについて考えるきっかけを与えてくれるのかもしれません。

でも外部に相談も時には必要かも

どうしても自分だけでは解決できない事、どうしても我慢ができないことがあったなど、思い切って経験豊富な専門家へ相談してみるのも手かもしれません。

他人に話すことで解消することもあると思います。

家族のこと、仕事のこと、困ったときに相談できるのは行政や法律相談窓口だけではありません。
アセンスのライフコーディネーターは、独自の徹底した教育と訓練を受け、認定資格を持つプロフェッショナル。
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